高血圧症の発症原因とは?
高血圧が発症する原因は複数あります。様々な要因が組み合わさって症状が現れることが多く、発症原因には個人差がありますのでが皆さんの生活習慣から改善してくことが大切となります。
遺伝
親族で高血圧の治療を受けている方は、遺伝的に高血圧が発症しやすい傾向があります。ただ、遺伝だけが高血圧の原因に関わっているのではなく、普段の生活習慣も大きく発症に関与しています。
年齢
加齢とともに血管の柔軟性が失われ、血圧が高くなっていくことがあります。
普段の生活習慣
運動不足、食事習慣の乱れ、塩分の過剰摂取、肥満体型、喫煙・アルコール類の過剰摂取などの普段の生活習慣も高血圧の発症に関わってきます。
ストレス
ストレスが原因で血圧に影響を及ぼすことがあります。リフレッシュできる趣味を持ち、適切なストレス管理は大切です。
睡眠
睡眠不足や睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群など)は、高血圧の原因となります。睡眠時間をしっかりと確保することが重要です。
高血圧が発症する原因については、上記のような要因が組み合わさっています。高血圧が発症している原因を調べ、医師と相談しながら適切な治療を受けていくことが高血圧治療において大切になります。また、高血圧は普段の生活習慣が発症に大きく関わってきます。当院には管理栄養士が在籍し、食事や運動、普段の生活習慣の指導を行っています。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
高血圧の分類について
高血圧には大きく分けて本態性高血圧と二次性高血圧に分けられます。
本態性高血圧症
高血圧の原因が明確になっていないが、血圧が高い状態が続いているのを本態性高血圧症といいます。本態性高血圧は高血圧患者の約90%近い方がこちらに該当します。本態性高血圧は肥満、運動不足、塩分の過剰摂取、ストレスなどの普段の生活習慣や遺伝が発症に関係しているといわれています。
二次性高血圧症
他の治療目的で内服している医薬非や他の病気が原因となって、血圧が高い状態が続いているのを二次性高血圧といいます。二次性高血圧では腎臓の病気、内分泌系の病気、睡眠時無呼吸症候群、薬物療法などが発症に関わっているといわれています。
高血圧による合併症とは?
長年にわたって血圧が高い状態が続いていると血管の動脈硬化(血管が硬くなること)が生じてしまいます。動脈硬化が生じると脳出血、脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの合併症を引き起こす可能性があります。
血圧が10mmHg上昇する度に、心血管疾患の発症リスクが約1.5~2倍も増加するといわれています。血圧の変化だけでなく、血圧が高い状態が続いている期間も心血管疾患の発症リスクが高まるといわれています。ここでいう心血管疾患とは心筋梗塞や脳卒中、心不全などの病気です。
心筋梗塞や脳梗塞の場合では高血圧症がみられる場合は、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが上昇するのに加えて、重症度も上昇することが分かっています。また、血圧が高い状態が続くことで、心臓への負担が上昇していき、心不全の発症リスクは高まっていきますので早期の治療介入が重要となります。
高血圧の検査とは?
高血圧の検査では、主に血圧測定が中心となります。血圧ノートや今では血圧記録アプリもありますので、自宅で血圧を定期的に測定し、しっかりとご自身の血圧管理を行ってください。また場合によっては、心電図検査で心臓機能の検査や血液検査で、高血圧の病状を総合的に判断して治療を提供していきます。
血圧測定
最も基本的な検査法です。上腕部に圧力をかけながら血圧を測定していきます。正確な血圧測定のためには、リラックスした状態で実施してください。当院にも血圧計を用意していますので、お気軽にご活用ください。
心電図検査
心臓の動きやリズムを確認します。心電図検査では高血圧が心臓に負担をかけていないかも判断できます。
腎臓機能検査
高血圧は、腎臓に影響を及ぼすことがあります。腎臓機能を検査するために、血液中のクレアチニンや尿中に含まれるたんぱく質などを測定します。
血液検査
高血圧は、糖尿病や脂質異常症などの他の生活習慣と併発することもあります。そのため、血液中のコレステロール値や血糖値などを測定していくことは大切です。当院では院内で採血検査の迅速検査機器を導入しているため、採血結果を後日確認のために来ていただく必要が無く、当日で採血結果をお伝え致します。
超音波検査
心臓や血管を検査するために超音波検査(エコー検査)を行います。エコー検査では心臓肥大、心臓機能、動脈硬化などの検査が可能です。
高血圧の治療法とは?
高血圧の治療法は、薬物療法と生活習慣の改善の両方からアプローチしていくことが大切です。高血圧治療の最大の目的は、血圧が高い状態が継続していくこと生じる合併症のリスクを下げることです。
薬物療法
高血圧症の薬物療法では血圧を正常範囲内を維持し、合併症の発症リスクを低減するために処方していきます。処方する際は、年齢、健康状態、高血圧の程度によってACE阻害薬、ARB、カルシウムチャネル拮抗薬、利尿薬、α遮断薬、β遮断薬などの薬を処方します。
生活習慣の改善
高血圧は普段の生活習慣も発症に大きく関わってきますので、生活習慣の改善も大切となります。
ストレス
ストレスは血圧上昇に関わっています。ストレスを感じないことは非常に難しいため、極力ストレスを感じないように余裕の行動計画を立てたり、趣味を持つことも大切になります。
睡眠
睡眠時間の確保も高血圧治療において大切です。最適な睡眠時間は人によって異なりますので、ご自身にあった睡眠時間を確保するようにしてください。
入浴
入浴は血流が良くなるのと、疲労回復やストレス解消にも効果的です。シャワーだけで済ませるのではなく、定期的に湯舟にも浸かることを心がけてください。
飲酒
アルコール類は血圧上昇を引き起こします。また、アルコール類は肝臓機能にも悪影響を及ぼすことがあります。ご自身の身体にあった、適量を飲むようにしてください。
運動習慣の改善
高血圧の治療ではウォーキングやヨガなどの有酸素運動は効果的です。ジョギングのような負担のかかる運動では継続するのも難しくなってきますので、ご自身のお体にあった適度な運動習慣を続けてください。
食事習慣の改善
高血圧の発症には食事習慣も大きく関わってきます。また高血圧以外でも、食事習慣の改善は糖尿病や脂質異常症などの他の生活習慣病の予防にも効果があります。
食塩摂取の制限
日本人は食塩の摂取量が諸外国と比べて多いと言われています。1日の食塩摂取量は平均11〜12g程度です。食塩摂取量は男性で1日8g、女性で7gと高血圧治療のガイドラインで推奨されています。
カロリー・脂質摂取の制限
肥満体型の改善は高血圧治療において効果があります。肥満の原因となるファーストフードなどの脂肪分を多く含む肉類や糖分を含む食べ物です。これらの過剰摂取は控えるようにしてください。
当院には管理栄養士が在籍しています。高血圧など、病気の治療目的で医師が必要と判断した方には栄養指導を受けるよう指導をしています。栄養指導にご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
金沢消化器内科・内視鏡クリニック野々市中央院では地域の皆様の健康寿命の延伸に貢献していくために、高血圧の診察・治療にも力を入れています。血圧が高いと指摘されても特に自覚症状を感じることがない病気で、高血圧は早期発見が難しいです。
会社の健康診断や金沢市・野々市市・白山市の特定健診を受けていただき、血圧で異常を指摘された方はお早めにご相談してください。血圧が高い状態が続くと心筋梗塞や脳梗塞といった病気の発症リスクが高まります。