便秘でお困りの方へ
便秘は消化器内科で原因に合わせた適切な治療を受けることで、解消と再発防止が可能です。便秘を繰り返していると、日常生活に支障を及ぼして、腸疾患や痔の発症・進行リスクを上昇させてしまいます。また、便秘が疾患の症状として現れているケースもありますので、便秘しやすい方は1度消化器内科を受診して原因を調べることをおすすめしています。
当院の消化器内科では、適切な検査によって原因を見極め、体質やライフスタイルも考慮したきめ細かい治療を行っています。便秘しやすい、市販薬が効かなくなってきたなどのお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
便秘の症状
便が出ない日がある状態だけでなく、毎日排便があってもスムーズに排便できず、スッキリしない場合も便秘に含まれます。長くいきまないと出ない、少量しか出ずに残便感がある、下剤服用や浣腸をしないと出ない、お腹が張って苦しいなど、満足できる排便ができていない状態が便秘です。
便秘の原因
便秘は、腸の働きが不足して起こりますが、原因は多岐に渡っていて、ほとんどのケースでは複数の要因が影響して発症しています。主な要因には、運動・水分・食事量・食物繊維などの不足、環境の変化といったストレス薬剤の影響、大腸や全身の疾患、加齢、ホルモンバランスの変化、排便習慣などがあります。自宅以外では便が出ない、便意を我慢していたら便意を感じなくなってきたなど、ちょっとしたことがきっかけになって便秘を悪化させてしまうケースもよくあります。
便秘の種類
機能性便秘
腸管の蠕動運動などの機能的な問題によって起こっている便秘です。主な原因は、運動・水分・食事量・食物繊維などの不足、排便習慣をはじめとした生活習慣の乱れなどです。また、腸を含む消化管の機能は自律神経によってコントロールされているため、ストレスが便秘の発症や悪化に関与しやすいとされています。糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病など消化管以外の病気や薬剤の副作用として便秘を起こすこともあります。
器質性便秘
便秘は大腸疾患の症状として起こる場合もあります。疾患による腫瘍や炎症、癒着、狭窄、閉塞などが便秘を起こしている場合、原因疾患の治療が必要です。特に大腸がん・虚血性大腸炎・腸閉塞による便秘は、早急に適切な治療を行う必要があります。急に便秘しやすくなった、腹痛や血便もあるといった場合には、できるだけ早く受診してください。
便秘の検査
問診で、便や排便の状態、生活習慣、腹痛や血便など他の症状の有無やその内容、既往症や服用している薬、ライフスタイルなどについてうかがいます。
腹部の触診後、腹部X線検査、腹部超音波検査、大腸カメラ検査、血液検査などから必要な検査を行います。特に、糖尿病や甲状腺機能低下症などの原因疾患の症状として便秘を起こしている疑いがある場合には、血液検査が不可欠です。器質性便秘が疑われる場合には、大腸カメラ検査を行います。大腸カメラ検査では大腸粘膜を直接観察できますし、腸管のねじれや形状の問題も把握できます。さらに、組織を採取して病理検査を行って確定診断が可能です。当院では大学病院レベルの高度な最新の内視鏡システムを導入して精緻な検査を行っており、無痛検査も可能ですから、安心してご相談ください。
便秘の治療
食事療法
水分不足によって便秘を悪化させているケースが少なくありません。こまめにたっぷり水分を補給するよう心がけてください。
食物繊維が多く栄養バランスのいい食事を、1日3回規則正しくとるようにします。ダイエットでは、食事量の不足や脂肪分の不足による便秘を起こしやすくなります。ダイエットをお考えの方には、カロリーコントロールについての適切なアドバイスもさしあげています。
運動療法
週に3回以上、1回30分程度の有酸素運動を心がけましょう。速足の散歩や階段を利用するなど、日常に取り入れやすい運動で大丈夫です。運動を続けることで基礎代謝がアップしますし、血行も改善されるため腸の機能も整います。デスクワークがほとんどの方は、席についたままできるストレッチをこまめに行うのもおすすめです。
生活習慣改善
規則正しい食事・就寝・起床によって、腸をはじめとする身体の機能が改善します。早めの起床・朝食・トイレという朝の習慣は特に効果的です。また朝に限らず、便意があったら我慢せずにトイレに行くことも重要です。こうしたことは便秘解消、再発予防に役立ちますし、身体全体の健康にもつながります。
睡眠や休息をしっかりとること、身体を冷やさないことも大切です。夏でも毎日バスタブで身体を芯まで温めることで血行が改善して、隠れ冷えが解消できます。また、リラックスできる時間ですから、ストレスの解消にもつながります。
薬物療法
原因や体質、ライフスタイルに合わせた医師処方の薬剤では、市販薬が効かなくなって便秘を悪化させている場合でも効果的な治療が可能です。新しい作用機序を持った薬剤も登場しているため、選択肢も増えています。また、同じ作用の薬剤でも服薬タイミング、効果の現れ方などに違いがある薬剤がありますので、患者様の状態に合わせたきめ細かい調整が可能です。
特にお困りの症状改善を優先しており、漢方処方の併用も可能です。再診時にも状態に合わせて処方を調整しますので、些細な内容でも気になることがありましたら遠慮なくご相談ください。
文責:金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院
院長 中村文保